次世代都市におけるフィジカル空間とサイバー空間の連携に関する研究
【研究キーワード】
スマートシティ / コンパクトシティ / サイバー空間 / フィジカル空間 / デジタルツインシティ / 都市計画 / 次世代交通
【研究成果の概要】
情報通信技術ICTの活用は様々な分野で生活や交通環境の改善に貢献する一方で、実際の都市構造や交通に影響を与え、フィジカル空間自体の変化を余儀なくされる。今後のスマートシティの進展が、これまで我が国が目指してきたコンパクト+ネットワークの都市構造に対して、どのような影響を及ぼすか不明瞭である。そのため、超スマート社会を具現化したまちづくりを行う上で、情報を扱うサイバー空間と実空間を有するフィジカル空間の相互関係を明らかにすることは、学術的および実務的に喫緊の課題となっている。
本研究の目的は「スマートシティの取組が実空間に与える影響を定量的に把握すること」にある。そのうえで、持続可能な都市空間のあり方を定量的なデータに基づき探求し、デジタルツインシティの構築と実務的な展開を目指している。
令和3年度は「フィジカル空間とサイバー空間の都市モデルの比較検証」を行った。特に、わが国で導入が推奨されているコンパクトシティとスマートシティの二つの都市モデルの長所と短所を整理し、相互連携に向けた検討を行った。また、フィジカル空間の検討として、現状のコンパクト+ネットワークの都市構造における課題を整理した。次に、サイバー空間の検討として、都市OSを前提とした都市解析システムを実用化する上での課題を整理した。そのうえで、都市OSと都市解析システムを利用したスマートシティにおけるまちづくりの全体像を提案した。サイバー空間において都市OS、都市解析システム、スマートシティサービスが互いに連携し、フィジカル空間の施策を支援することが重要である。例えば、都市解析システムで得られた知見を基に短期的な施策を市民や企業に、スマートシティサービスとして直接提供することが重要である。一方で、行政は都市解析システムで得られたエビデンスを基に、中長期的な施策立案に役立てることができる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
北野 尚宏 | 早稲田大学 | 理工学術院 | 教授(任期付) | (Kakenデータベース) |
高山 宇宙 | 大阪産業大学 | 工学部 | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)