気泡材を利用した地盤掘削用安定液の研究開発
【研究分野】地盤工学
【研究キーワード】
地中連続壁 / ベントナイト / 安定化 / コスト縮減 / 排土 / 環境 / 基礎 / 土構造物 / 掘削 / 安定液 / 地盤環境
【研究成果の概要】
本研究では,気泡材を利用した新たな地盤掘削用安定液の研究開発を行った。得られた成果は,下記のように要約することができる。
・消泡率の最も低いパリックFA100を起泡材として採用した。
・砂礫分の場合,最小含水比は表面乾燥状態含水比である.
・単位体積重量比の測定結果から,気泡安定液内で土粒子の沈み込みが起こる単位体積重量比は約1.02である.
・安定液として求められる機能は以下に示すとおりである.
a)溝壁の安定(崩壊防止)
b)良質なコンクリートの打ち込み
c)掘削土砂の運搬分離
・ベントナイト安定液と同様の透水量を満足する気泡安定液の気泡添加率は約1(%)である.
・気泡安定液の単位体積重量の下限値は約10(kN/m^3)である.このとき,気泡添加率の上限値は約2.0(%)となる.
・気泡添加率1.5(%)以下の場合,気泡を添加する,または水セメント比を低下させるなどの方法で対策を講じる必要がある.
・単位セメント量が低下すると,気泡ソイルセメントの一軸圧縮強度もほぼ線形に低下する.また,単位セメント量250(kg/m^3)のとき規準を満足しない.よって,水セメント比1.0の場合,1(m^3)当たりのセメント投入量は300(kg/m^3)必要である.
・気泡ソイルセメントは事実上不透水と認められる.
・試験施工の結果,気泡安定液で掘削することによって,カッタービットに付着する土塊が減少した.掘削性は非常に良好であった.
・ベントナイト安定液による掘削に比べて気泡安定液による掘削の方が排土量を50(%)に低減できるので,環境面,コスト面で有利である.
・気泡ソイルセメントの目標強度は養生日数7日で目標強度を満たしたことから,気泡ソイルセメントの有用性が示された.
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2004 - 2005
【配分額】2,800千円 (直接経費: 2,800千円)