気候変動下での暑熱障害と感染症による健康リスクの予測と統合的評価
【研究キーワード】
気候変動 / 暑熱 / 水系感染症 / 蚊媒介感染症 / 東南アジア / 健康リスク / 暑熱障害 / 感染症 / 機械学習
【研究成果の概要】
気候変動の影響を強く受ける東南アジア都市において、昼間の熱中症を中心とする暑熱に関連する健康障害、下痢症・皮膚病等の水系感染症、デング熱等の蚊媒介感染症の健康リスクを予測するモデルを構築した。その結果、暑熱環境リスクは屋外労働者(建設業)が高いが、収入が高く栄養状態の良いベトナムではそのリスクが比較的小さかった。水系感染症は、ベトナムでは洪水により都市下流に位置する集落や農地に大腸菌が拡散してリスクが高まった。さらに、蚊媒介感染症に関するフィリピンとインドネシアの調査では、降水量が増えるとタイムラグをおいてデング熱媒介蚊の個体数が高まり、成虫1匹増えるとデング熱感染リスクが1.8%増加した。
【研究の社会的意義】
気候変動に伴う降雨増加や気温の異常な上昇等の極端気象が、熱中症を中心とする健康障害、下痢症・皮膚病等の水系感染症、デング熱等の蚊媒介感染症などの幅広い健康リスクを高まっていることが様々な観測データから示された。これらの健康リスクが、気候変動に対して脆弱とされる発展途上国において顕在化していることは、健康リスクの緩和に資する気候変動適応オプションを途上国で実行していくことの重要性と緊急性を示している。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】45,760千円 (直接経費: 35,200千円、間接経費: 10,560千円)