海草の形態変動のモデル化と海草藻場炭素動態モデルへの発展
【研究キーワード】
生態系モデリング / 海草 / 成長解析 / バイオマス / ブルーカーボン
【研究成果の概要】
前年度に引き続き、研究対象地(フィリピンのボリナオ沿岸域)の海水流動モデルの精度向上に関する作業と、同海域の水質変動の解析を行うことで、沿岸域生態系にとって重要な水質パラメータの一つである溶存酸素濃度の動態と海水流動場との関連性を明らかにした。
また、前年度からの課題としていた、環境条件に応じた地上部・地下部バイオマス比の変動のモデリングに関しては、海草に先んじて、沿岸域生態系の一つであるマングローブ生態系を対象にモデル開発に取り組んだ。この際、光合成速度及び地下部からの間隙水栄養塩取り込み速度に応じて、成長速度を最大化させるように地上部・地下部バイオマス比を変動させるモデルを組むことで、土壌塩分濃度に応じたマングローブの地上部・地下部のバイオマス比の変動を予測することに成功した(国際誌Biogeosciencesにて発表)。ここで開発したモデルは、海草の地上部・地下部バイオマスの変動モデルの開発に応用することができると期待される。
現地調査による海草藻場における間隙水栄養塩濃度や海草の地上部・地下部バイオマスの測定については、コロナ禍により本年度は実施することが出来なかった。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)