開発による沿岸域環境変化機構の調査
【研究分野】水工水理学
【研究キーワード】
海岸漂砂 / 沿岸域環境 / 海岸環境 / 国際開発 / 津波 / 環境復興
【研究成果の概要】
日本およびタイ、ベトナム、イラン、中国、スリランカ、韓国、インドネシアにおける沿岸域環境変化の現状について調査を行った。調査対象国のうち、スリランカ、タイ、インドネシアは2004年12月に発生したインド洋津波で、沿岸域が大きな被害を受けた。その後の復興プロセスで多くの環境変化が報告されており、復興過程のモニタリングが必要となっている。この状況をふまえて、タイ、スリランカ、インドネシアについては、現地の海外共同研究者からの調査結果報告に基づき、津波被害が環境システムに与えた影響、その復興過程についての調査を行った。
2004年7月27,28日に研究協力者を横浜国立大学に招聘し会議(Yokohama Symposium on Coastal Environment in Developing Countries)を開催した。また、2005年11月に行ったCoastal Disaster Prevention Seminar(Phuket, Thailand)、2006年9月に行ったCoastal Disaster Prevention Seminar(Hikkaduwa, Sri Lanka)において研究集会を開催し、成果を共有するとともに各国の状況を比較した。2006年7月に発生したジャワ島中部地震津波の被災に際して、調査を実施し、環境変化による津波の挙動変化及び津波インパクトによる沿岸環境変化を分析した。
比較討論の成果を踏まえて、イラン、タイ、ベトナム、インドネシア、韓国、中国、カナダ、米国の海岸環境、あるいは災害復興の状況を発展過程の中に相対的に位置付け直すことができた。アジアの経済的変換期を迎えている国々について、経済の発展段階を時間座標にとることにより、海岸侵食、湾内の富栄養化など環境問題を、一つの時系列に並べることができ、今後の展開が予測できるようになった。
【研究代表者】