RFIDタグを利用した地下構造物周辺地盤の3次元変形計測手法の考案
【研究分野】構造工学・地震工学・維持管理工学
【研究キーワード】
RFIDタグ / 地盤構造 / 逆解析 / 地盤水分量 / 電磁波伝播特性 / 材料特性 / 3次元位置計測 / 数値シミュレーション / 三次元計測 / 誘導電磁波
【研究成果の概要】
地震工学の古典的な重要問題である地盤-構造物相互作用を解決する新しい視点を設けることを念頭に,本研究は,地下構造物周辺地盤の変形を計測する手法の考案に取り組んだ.計測ディバイスとしてRFIDタグを利用することがポイントである.計測原理は,適当数のRFIDタグを地盤に埋め,地震動による地盤の変形に追随して位置を変えるRFIDタグの位置を同定することで,地盤の動的3次元計測を行うことである.主要な研究内容は,1)地盤中でRFIDタグが送受信する電磁波の特性と水分を含む地盤の電磁波伝播特性を検討すること,2)RFIDタグの3次元位置同定を行う逆問題を解く解析手法を考案し,その妥当性を検証すること,である.RFIDタグが受動的に送受信する電磁波の出力は小さいため,測定誤差は大きいものの,地盤レーダのような強い出力の器具を使い,大きな振幅の電磁波を使う必要が確認された.一方,地盤の電磁波特性は,RFIDタグの長さのスケールでみると,閉め固め度等に依存した強い非一様性を持つことが示唆された.特に水分を含む場合,この局所的な非一様性は増大するようである.したがって,逆問題としては,電磁波のソースとなるRFIDタグと一緒に,それを取り巻く地盤の局所的非一様性も同定しなければならないことが明らかになった.この逆問題は極めて難解である.地表面からの測定データしか利用できない場合には位置同定の精度に限界がある.上記を考慮した上で,等価介在物法を利用した逆解析手法を考案し,位置同定のシミュレーションを行った.高出力の地盤レーダを使い,比較的一様な地盤を対象とする条件の元で,RFIDタグの3次元位置同定が可能であることを示唆する結果を得た.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
小國 健二 (小国 健二) | 東京大学 | 地震研究所 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2005 - 2007
【配分額】3,400千円 (直接経費: 3,400千円)