「老成学」の基盤構築ー<媒介的共助>による持続可能社会をめざして
【研究分野】ネオ・ジェロントロジー
【研究キーワード】
超高齢社会 / 人生100年時代 / 老い / 生き方 / コミュニティ形成 / 死に方 / コミュニケーション / 老成学 / 老人の生き方 / 統合的老人観 / 同世代の互助 / 若者世代の育成 / 安楽死 / 超高齢化 / 世代間コミュニティ / コミュニティ形成型老人観 / 最晩年期 / QOL / 老人モデル / 四機能図式 / 老人観 / 老の中の生 / 労働市場 / 社会保障 / コミュニティ / 死生観 / 老人介護 / 階層二極化 / 家族の変容 / 老成社会 / 認知症 / 媒介的共助 / セーフティネット / 高齢社会 / 持続可能性
【研究成果の概要】
本研究の目的は、超高齢社会または人生100年時代に相応しい老人像を確立し、老人同士の互助や若者の育成によって持続可能となる社会を構想することである。具体的には、「老いの深まりの諸段階に応じた生き方」のモデルの設定を研究目標にしつつ、「仕事・活動」「コミュニティデザイン」「社会保障制度」「人生観・死生観」に考察を絞って理論的・実証的な研究を進めた。以上から、①準備期(50代)、②開始・展開期(60代・70代)、③円熟・縮小期(80代)、④死に方が問われる終末期、⑤生者との語り合う死後の段階と、これらに応じた生き方が浮かび上がった。すべての段階を貫いているのは「尊敬に値する生き方」である。
【研究の社会的意義】
超高齢社会の日本では、老人と若者が対立するだけでなく、充実した日々を送る元気な老人と貧困や悲惨な介護に苦しむ老人とに老人世代が二極化しつつある。対立と分裂の背後には家族の自助力の地滑り的な衰退がある。「自助」や「公助」を補って「共助」を強化するために比較的元気な老人たちができることは何か。ここで必要とされるのは老人自身が生き方を意味づけるという主体的な観点である。この観点から老人像を捉え直すとき、同世代の老人同士による互助と若者世代に対する支援をめざす「コミュニティ形成」型の老人像が浮かび上がる。この老人像こそ超高齢社会の人生100年時代に求められる老人世代の生き方のモデルである。
【研究代表者】