エリアマネジメント団体による景観マネジメント活動の実態とその効果に関する研究
【研究キーワード】
景観マネジメント / エリアマネジメント / 海外事例調査 / 公共空間活用 / デザインレビュー / アンケート調査 / 景観マネジメント活動 / 北米 / 欧州 / 台湾
【研究成果の概要】
本研究ではまず、エリアマネジメント団体による景観マネジメント活動の実態を国内外
の代表事例から把握するため、全国におけるエリアマネジメント団体による景観マネジメント活動の実態を網羅的に把握するためのアンケート調査設計を行って、予備調査を実施した上で、全国エリアマネジメントネットワークの協力を得て全国アンケートを実施した。本研究では様々な主体により地域の景観を地域自らがマネジメントしていくような取組を「景観マネジメント」とした上で、全国アンケート調査を通じて、エリアマネジメント団体による景観マネジメントの現状を明らかにすることを目的として全国アンケート調査を実施した。景観マネジメントは、「自主ルール(デザインガイドライン等)」、「景観形成事業(デザインレビュー等)」、「公共施設・公共空間の管理等」、「空家・空店舗・空地対策」、「イベント等による賑わい創出」、「広告事業(エリアマネジメント広告)」、「サイン等の設置」の観点から分析した。次に、エリアマネジメント団体の類型を設定した上で、類型ごとの景観マネジメントの特徴を分析した。その結果、「大都市・混在市街地型」や「大都市・成熟市街地型」で景観マネジメントに関する活動が多く実施され、景観への効果が大きいと感じられている傾向があった。また、「地方・その他市街地型」では自主ルールの策定・運用は少ないが、その他の活動は多く実施される傾向であり、「まちなか広場型」では公共空間の管理等を基本に景観に配慮した取組がなされており、いずれも景観への効果が大きいと感じられていたことが明らかとなった。
他にも国内事例調査Ⅰとして実施した近畿圏における御堂筋、グランフロント大阪や中部圏の富山市における景観マネジメントの取り組みをまとめた論文や、海外事例調査として台湾・台北市の歴史的市街地における景観マネジメントの実態を調査した論文を学会にて発表した。
【研究代表者】