都市周辺地域の土地利用と緑地整備システムの手法に関する研究
【研究分野】園芸・造園学
【研究キーワード】
都市周辺地域 / 土地利用 / 緑地 / 野外レクリエーション施設 / 田園景観 / 計画システム / 計画プロセス / 狩場 / 野外レクリエ-ション施設 / 緑のマスタ-プラン / 都市計画
【研究成果の概要】
都市周辺地域は、都市の発展で次第に緑のオープンスペースが減少し都市的土地利用の混在化による環境悪化、景観の混乱が生じている。そこで本研究は、都市周辺地域の土地利用の整序化の一環として、土地利用と緑地整備に関わるシステムを研究した。
マクロな視点では、東京、パリ、ロンドンという大都市圏における緑地の分布構造の特徴を明らかにした。また、大都市周辺地域での土地利用の整序化を図る上でのルーラルランドスケープの保全・活用のあり方について、地域景観計画の観点から理論的整理を行った。地域的な視点では、千葉県北西部や東京を中心とする、大都市に隣接する地域の緑地の構成と特性を明らかにし、集落地における林地、農地、屋敷周辺の緑地が集落地の景観上重要なポイントである点を明らかにし、その結果を基に環境の再構成について整理した。また、多摩ニュータウンにおける緑地整備に対し、計画システムの評価を行い、空間スケール、整備方針の位置づけ、相互関連性の空間形態への展開が有効な方法であることを明らかにした。緑地が備えているレクリエーション的資質に関する視点では、歴史的視点から江戸時代の鴨場の分布と立地特性を明らかにし、またこの様な場所は野生との接触の場であったとの観点にたち、現代の都市緑地の評価のあり方を示した。また、今日的視点からは都市周辺の丘陵地などで、大規模な土地利用変化をもたらしているレクリエーション施設としてのゴルフコースを取りあげ、関東地方1都6県と近畿地方2府4県におけるゴルフコース開設状況、土地改変規模、分布特性、立地特性等を明らかにした。こうした一連の都市周辺地域の土地利用と緑地システムに対し幅広い成果を得た。
6名で構成した研究組織の分担研究成果は報告書にまとめた。
【研究代表者】