市民参加型まちづくりのための対話型3次元都市環境シミュレーションシステムの開発
【研究分野】都市計画・建築計画
【研究キーワード】
市民参加 / まちづくり / 都市環境シミュレーション / 合意形成手法 / プロセスゲーム / アーキタイプ / 建替えタイポロジー / 都市計画教育
【研究成果の概要】
本研究は「相方向対話型3次元都市環境シミュレータ」を用いて、まちづくりのプロセスと市街地環境の段階的改善・更新を同時進行的にシミュレーションするシステムを構築し、1)地域の市民参加型まちづくりの場面で実践的に活用すること、2)大学/大学院教育・市民教育における、まちづくり実験プログラムを開発することの2点を目的としている。
平成12年度は、以下に示す研究開発を行った。
(1)相方向対話型3次元都市環境シミュレータを用いた市民参加型まちづくり手法の実践
(1)相方向対話型シミュレーションの実施
街路環境デザイン事業の計画策定プロセスにおいて、街路仕上げ材、植栽、電柱、サイン・看板、ストリートファニチャ、色彩など多様な景観影響要素の抽出、合成、加工、統合を静止画や3次元模型上に再現し視覚化する環境シミュレーション手法を開発した。これを用い、市民参加によるデザイン検討過程で、視覚化されたシミュレーション情報の有効性を確認した。
(2)まちづくり手法としての特徴と有効性の確認
対象事例をもとに、市民参加による計画の仕組み、デザイン決定の合意形成プロセス、そして個別デザインの検討における視覚メデイアの役割について、手法上の長所、短所を考察し、まちづくり手法としての特徴と有効性を確認した。
※上記(1)、(2)の一連の成果を2000年度・日本建築学会学術講演梗概集F-1、pp.979-984に発表した。
(2)まちづくり実験プログラムの応用
まちづくりの過程と環境形成を同時にシミュレーションする手法の特徴を活かし、都市計画教育プログラムの開発を進めた。
(1)大学院都市計画演習への応用
名古屋大学大学院工学研究科において2000年度の「建築・都市計画演習」のプログラムとして、都市環境デザイン、まちづくりプロセス、デザインワークショップ企画、計画プレゼンテーションにわたる実践的演習プログラムを開発し、これを三重県四日市市での事例研究に応用した。
【研究代表者】
【研究種目】奨励研究(A)
【研究期間】1999 - 2000
【配分額】2,300千円 (直接経費: 2,300千円)