占領軍側史料の収集・分析による占領期の東京の接収地と都市空間に関する基礎的研究
【研究分野】都市計画・建築計画
【研究キーワード】
東京 / 都市形成史 / 占領期(1945-1952) / 占領軍 / 接収地 / 戦災復興 / 都市景観 / 都市空間
【研究成果の概要】
今年度は、これまでに国会図書館憲政資料室、National Archives of United States(米国立公文書館)などで以下の占領軍側の史料を収集した。
1)占領期の地図(SCAP文書AG群文書)
(1)AMS(Army Map Service)作成の1945〜1948にかけての1/12,500の首都圏地図2シリーズ(各20図幅)、
(2)64th.Engineer Topographic Battalion作成のCentral Tokyo 1/25,000の4種類、
(3)GHQバスルート図、Marunochi(1/5,000)他案内図等。
2)占領期の都市空間の写真(Still Picture Branch : RG111-SC Army Signal Corp 1941-54)
以下の対象を撮影している写真(1645点)を収集。
(1)接収地・接収建物、(2)接収住宅、(3)占領軍家族向住宅、(4)街路を中心とした都市空間、(5)皇居前広場、(6)闇市・掘割、(7)公衆衛生調査、(8)その他の都市景観
3)接収住宅関係図面・文書
これらをもとに、昨年度までの成果もあわせ、以下の内容を含んだ成果報告書を作成中(97年7月末までに完成予定)。
・都内の接収地リスト及び分布図
・都内の接収住宅のリスト及び分布図 (これに関しては、上記3)の文書の読み込みを含めて、97年度も継続して行う。)
・占領軍家族向住宅建設の計画上の特質
・写真から見る占領期の都市空間の形成に関する若干の考察 (これも占領軍による都市空間形成・利用に関する規制・誘導策の検討を含めて97年度も継続して行う。)
結論としては、(1)占領期における接収が占領政策遂行上どのような意図のもとに行われてきたのか、(2)接収地と都市計画との関係に関しての仮説を得ることにあり、それは今後進める研究の中で検証する。
【研究代表者】
【研究種目】奨励研究(A)
【研究期間】1996
【配分額】1,000千円 (直接経費: 1,000千円)