近世・近代移行期における公共財供給と『地域社会』:比較史の視角から
【研究分野】経済史
【研究キーワード】
公共財 / 財政 / 地域社会 / 救貧 / 森林管理 / インフラストラクチャー / 領主 / fiscal state / 公共財供給 / プロイセン / 領主制 / 貧困救済 / 地方公共財 / 豪農 / 森林政策 / 地方財政 / 財政国家 / 幕藩財政 / 森林経営 / 財政史 / 名望家 / 備荒貯蓄 / 軍事・財政国家 / 郷紳 / 貧民救済
【研究成果の概要】
本研究では、まず第一に日本の近世・近代移行期の公共財供給において、領主層の直接かかわらない「公共的」な空間=「地域社会」が供給の主体として機能していたことを明らかにした。第二にそれをベンチマークとすることで、プロイセンにおける領主制の機能の強さ、近世中国(清)における中央集権的な資源管理や河川土木の意義と限界、議会と教区の関係が論点となるイギリスなどとの対比が明確となり、「市場の失敗」を前提とした国家の介入として論じられる傾向が強かった公共財供給の議論に対して、歴史的には多様な供給主体の存在があったこと、その背後にはそれぞれの経済社会の構造的な特質が存在していたことが明らかとなった。
【研究代表者】