ネパールの世界遺産をとりまく歴史的環境の復興と保全に向けた国内法整備に関する研究
【研究分野】都市計画・建築計画
【研究キーワード】
カトマンズ谷 / 歴史的環境 / 復興 / 保全 / 世界遺産 / 歴史的環境保全 / カトマンズ盆地 / 制度設計 / 震災復興 / 町並み保全 / 伝統的建造物群保存地区 / ネパール
【研究成果の概要】
2015年4月にネパールで発生した地震は、カトマンズ盆地の世界遺産とバッファーゾーンを含む歴史都市全体に被害をもたらした。復興の過程で、ネパールの文化財保護制度には歴史都市を構成 する集落や町並みといった「面」としての「歴史的環境」が含まれていないことが明らかになり、法制度の整備と各都市における復興のガイドラインの策定をモデル的に実施し、カトマンズ谷における歴史都市の復興における歴史的環境保全の手法を明らかにすることができた。また、そのための実務的な歴史都市間の連携を提案し、実際の連携を進めることに貢献できた。
【研究の社会的意義】
カトマンズ谷の歴史的な集落を有する自治体の市長をネットワークする会議体を組織すべきことを提案し、実際の市長会議を3年連続で開催するとともに、その席で、町並み復興の際のデザインガイドラインを提案し、政策提言および法制度確立のための協議を行った。並行してカトマンズ谷の各市の土木関連の事業責任者等との意見交換を定期的に実施する仕組みを整備した。その結果、建築許可の際の詳細なデザインガイドラインを作成し、規制を根拠づけることとこれらガイドラインの方向性を法的に担保する地区レベル及び都市レベルでの歴史的環境保全を目指すマスタープランの設定を進めること、そのための都市計画法制の改訂を提案した。
【研究代表者】