地域特性と時間的要因を考慮した停電の都市生活への影響波及に関する研究
【研究分野】社会システム工学
【研究キーワード】
停電 / 電力 / ライフライン / 地理情報システム / 地震 / 自然災害 / 都市機能 / 地域特性
【研究成果の概要】
本研究の2年度として,配電用配電エリアを地域単位とした地域社会に与える都市停電の影響度評価を行った.すなわち,停電発生時刻,停電継続時間,季節,規模などを考慮した影響度評価モデルを構築し,都内23区の314箇所の配電用変電エリアを対象としてシミュレーションを行った.その詳細をデータベースのアップデ-トと新しい評価モデルの構築に分けて説明する.
1.データベースのアップデ-トに関して:(1)入手可能な最新の事業所統計データ(1991年度実施)を用いて,都内23区の314箇所の配電用変電エリアの住宅・オフィス・工場・店舗/飲食店数を算出し,データベース化した.(2)アップデ-トした住宅・オフィス・工場・店舗/飲食店数を用いて,各季節の4パターンの電力需要曲線(構成要素)を算出した.そしてこれと以前にデータベース化した1時間刻みの各配電用変電所の電力需要データを用いた重回帰分析から,パターンごとの1件当たりの平均電力需要曲線(4季節,1時間刻み)を求めた.(3)全配電用変電所について,上記(2)で求めた4構成要素(パターン)別の電力需要曲線とその配電エリアの電力需要曲線から配電エリアごとの寄与率を算定した.(4)上記(3)の寄与率と,今回入手した4つの配電用変電所の高密度(5分刻み)電力需要データから,構成要素(パターン)別の高密度の電力需要曲線と残り310箇所の配電エリアの高密度電力需要データ(いずれも5分刻み)を作成し,データベース化した.
2.停電の影響度評価の新しい評価モデルの構築に関して:配電用変電エリアを地域単位とし,地域特性・停電発生時刻・停電継続時間を考慮した新しい停電の影響度評価モデルを構築した.寄与率を用いた配電アリア特性の評価,各パターン内での電力の消費対象特性の評価,パターン間の重要度の適切な評価などを考慮した停電影響度評価モデルである.
【研究代表者】