GISシステムを用いた考古空間情報の高度解析法の開発研究
【研究分野】考古学(含先史学)
【研究キーワード】
GIS / 地理情報システム / 考古学 / 地理学 / 情報学 / 集落論 / 都市論 / 分布論 / 歴史的空間 / 遺跡 / 遺物 / 集落 / 都市
【研究成果の概要】
平成14年度
研究実験のための基礎データベースとして,佐賀県弥生遺跡の施設・年代・空間情報,日本地震遺跡の噴砂・年代・空間情報,平安京の施設・年代・空間情報からなるデータベースを作成した。研究推進の基礎としては,国土地理院提供の50mメッシュ地図,米国Nasa提供の90mメッシュ地図を基にして,世界のDEM(Digital elevation map)を作成した。またGlobal base GISの開発を推進して基礎データベースの運用を行った。実験からは,密度分布分析と可視領域分析が特に有効という結果を得た。
平成15年度
基礎データベースとして,弥生時代銅鐸の型式・出土地の空間情報,福岡県弥生時代集落の施設・年代・遺跡範囲の空間情報,富山県劔岳・立山の山岳宗教遺跡の施設・年代・空間情報,中国陝西省西安市漢代陵墓の施設・年代・空間情報からなるデータベースを作成した。研究推進の基礎として,空間情報をすべて世界測地系経度緯度情報に置き換えた。また精密GPS測量によって,より正確な空間情報を取得する試みをおこない,1kmに対して5mmの精度で測定できるようになった。これらより精密な空間情報に基づいた解析によって,従来の研究法では不可能であった,空間構造に関する研究成果が得られた。
平成16年度
基礎データベースとして弥生時代武器形祭器の型式・出土地の空間情報,大分県弥生時代集落の施設・年代・遺跡範囲の空間情報,日本山岳宗教遺跡の施設・年代・空間情報,中国陝西省西安市漢代都城の施設・年代・空間情報のデータベースを作成して,空間解析実験を積み重ねた。またGlobal base GISの開発もさらに推進して解析環境を向上させた。これらの成果は国際シンポジウム『世界の歴史空間を読むーGISを用いた文化・文明研究-』(2005年2月9日〜同11日,於 国際日本文化研究センター)において発表し,世界の研究者から高い評価を得た。
【研究代表者】