都市域地表形態を再現した風外乱ガスト構造の数理モデルの構築と耐風設計の高度化
【研究分野】建築構造・材料
【研究キーワード】
風外乱 / 都市 / 地表形態 / シミュレーション / LES / SGS乱流モデル / ガスト / 耐風設計 / 地方形態
【研究成果の概要】
地表に建つ建築構造物の耐風安全性をより確かなものにするには、高さが100から200m程度以下の地表近傍での風の特性の把握が重要である。しかしながら、地表は、様々な形状の建築物あるいは多種多様な植生によって覆われ、近傍領域は一様な空間とはなっていない。特に都市域では、中層から高層の建物などが密集し、高さ数10mから100m程度まで地表の形態は大きく変化している。本研究では、近年の流体計算技術の急激な発展を踏まえ、申請者らが開発してきた計算技術を活用することによって、都市域の地表近傍における建物形状をそのまま取り込みながら強風の乱流構造を高精度に予測できる数理モデルを構築し、解析を実施する。また地表近傍での形態による影響を踏まえた上での強風ガストの構造および強風の変動性状を明らかにし、実際の風作用に基づいた建築物の耐風安全性を確保し、耐風設計の高度化を実現する。得られた成果を以下に示す。
平成14年度はシミュレーション手法における要素技術を開発し、また都市細密データ・観測データを整備した。
1.任意形状まわりの流れのデカルト座標系解析手法の開発
2.領域分割に基づく並列アルゴリズムの開発
3.GISデータに基づく都市計算のモデル作成
4.都市部観測データの収集
平成15年度は実在都市を想定してシミュレーション手法を構築した。
1.風洞実験による実在都市を対象とした接地風外乱の基礎データの整備
2.地表形態を再現した地表近傍の風外乱に関するシミュレーション手法の構築
3.都市密集域における建物形状に対する境界処理法の開発
平成16年度は都市部における風外乱を解明し、建築物の耐風安全性のための基礎資料を提示した。
1.都市部における地表近傍の風外乱データの整備
2.都市密集域に建設される建築物の耐風性能評価
【研究代表者】