イットリウム系超電導膜を用いた次世代線材の電磁特性の数値解析による解明
【研究分野】電力工学・電気機器工学
【研究キーワード】
超電導 / イットリウム / 次世代線材 / 電磁特性 / 交流損失 / 数値解析 / 高温超電導 / 非線形
【研究成果の概要】
本研究は,次世代線材として期待の大きいイットリウム系(Y系)超電導線材に関し,交流損失を始めとする電磁的特性を詳細に解析可能な数値解析ツールを構築し,諸特性を明らかにすることを目的として実施し,以下のような成果が得られた。
1.数値解析ツールの開発整備
国際会議や学会などへの参加,および文献調査などを通じて,Y系超電導膜を用いる線材および限流器の研究開発の最新動向を調査し,超電導体のモデリングに必要な最新データの収集,整理を行った。その上で,大規模で複雑化した超電導体の電磁現象の解析のために,高性能コンピュータ使用した数値解析ツールの整備を実施した。特に,超電導体の電界(電圧)-電流特性(E-J特性),超電導-常電導転移(S-N転移),および電磁界と温度場,電気回路との連成解析等に関するツールの計算効率の改善を図った。
2.Y系超電導膜の電磁基礎特性の測定
Y系超電導膜の電磁基礎特性の数値解析結果の検証のために,超電導膜小サンプルを用いて電磁基礎特性の実測を行い,データを収集した。
3.Y系超電導導体の電磁特性の解析
Y系線材を対象に,n値,外部磁界,超電導薄膜の幅などをパラメータとして,超電導電流分布,交流損失などに代表される電磁的特性の解析を実施した。そしてさらに,Y系線材を複数本組み合わせた超電導導体,および応用機器としての限流素子について,その電磁特性の解析を行った。その結果,交流損失特性の基本特性,無限長の線材を平面的に配置した場合と縦に積層した場合の交流損失特性の相違を明らかにし,その原因を電磁気学的に明確に示した。これらの結果により複合導体構成と交流損失特性の関係を明らかにした。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2003 - 2004
【配分額】12,200千円 (直接経費: 12,200千円)