半導体ナノ構造表面における気相光触媒反応場の追跡と人工光合成への応用
【研究分野】電気電子工学およびその関連分野
【研究キーワード】
半導体ナノ構造 / 光触媒 / 人工光合成 / 半導体物性 / ナノ材料 / エネルギー変換
【研究成果の概要】
半導体ナノ構造表面における気相光触媒反応場の追跡、及び人工光合成(水素生成やCO2光還元)応用に関する研究を実施した。
まず、陽極酸化で作製した酸化鉄ナノチューブアレイ(FNA)表面に、パルス電着によって酸化銅ナノ粒子(CNP)を堆積させた試料において、気相メタノールと気相水の混合物を用いて、可視光照射による光触媒水素生成を観測した。その反応過程において、Z-スキーム機構が寄与することを示した。
また、陽極酸化で作製した酸化チタンナノチューブアレイ表面にCNPを堆積した試料において、高真空下での光触媒反応場を追跡し、酸化銅ナノ粒子が貴金属フリーの助触媒として機能することを示した。
【研究の社会的意義】
近年、ワイドギャップ半導体材料を用いた光触媒や光電極による人工光合成の研究開発が世界的規模で急速に進展している。本研究では、それらの材料を活用して、気相光触媒反応場を対象とした人工光合成反応に関する新しい学術的知見を得るとともに、高機能光触媒メンブレンリアクターの実現に向けた有益な成果を得ることができた。これらの成果は太陽エネルギーの有効利用やCO2削減等に寄与し得る、社会的に意義のあるものと言える。
【研究代表者】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2017-06-30 - 2020-03-31
【配分額】6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)