極微細レーザ描画、加工のための光プローブの研究
【研究キーワード】
光ファイバ / 光導波路 / 光プローブ / 光ビーム制御 / 光ピンセット / レーザー描画 / 光ビーム成型 / ナノデバイス / 光スポット / 集光デバイス / 微細描画
【研究成果の概要】
初年度から現在まで予期せぬCOVID19の継続的な影響により、学生の登校の抑制に加え、ワークステーションへの遠隔でのシミュレーション実験が停滞し、データ収集と整理が進まず外部発表をまとめるまでに至らなかった。しかしながら、シミュレーション実験データは徐々に得られてきているため、2022年度中には成果をまとめる予定である。
具体的には、大きく分けて2通りのアプローチでモデル構築とその解析を実施した。1つは、円環コア光ファイバからの高周波数の光干渉効果を利用した光スポット形成法である。従来より良く知られた手法に加え、我々は、以前から検討中のボウタイスロットコア構造を光ファイバ断面中に円環配置させる構造をとることで、一層の光スポット微細化を狙ったが、干渉縞の広がりが十分抑制できず、設計の見直しに至った。続いて、もう1つの手法として、“ナノジェット”と呼ばれる特殊形状の微小レンズを光ファイバ先端に設ける構造についても検討した。先端に半球や球を設けた単純な構造については、従来多くの報告例があり、光ファイバ出射端から少し離れた位置に焦点スポットを結ぶ。一層の微細スポット、長い焦点深度を達成するため、ボウタイコアスロット光ファイバ出射端の加工などいくつかの形状に関してシミュレーション実験を試みたところ、現時点では光スポット自体の微細化効果は小さいものの、空間的に曲がった形状の光スポットパターンが作り出せることを見出した。これは微細な光ビーム成型に役立つ効果であり、継続的に光ビームの制御性の整理を行い、外部発表に結び付ける予定である。
加えて、光ビーム形成、加工の主旨とは少し異なるが、本研究過程において、従来提案の微細光ファイバ構造が近年注目の光ピンセット効果、光によるナノ粒子の把持や輸送に応用可能なことを見出した。研究の拡張展開して取り組んでいく所存である。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)