二重SOI構造による高温度用加速度センサ
【研究分野】電子デバイス・機器工学
【研究キーワード】
加速度センサ / 高温度用 / SOI構造 / Al_2O_3膜 / 有限要素法 / マイクロマシニング / 二重SOI構造
【研究成果の概要】
本研究では、従来測定不可能であった200度以上の高温環境で加速度を測定するため、二重SOI構造とマイクロマシニング技術を用いて加速度センサを試作することを目的とする、そのため、はじめに加速度センサの基本構造となる二重SOI構造[Si/Al203/Si/Al203/Si構造]を製作するために現有のSi成長装置を超高真空対応に改良して成長条件を確立させた。また、シリコンをイオン注入する事によって従来エッチングが不可能であったAl203膜をエッチングする事に成功した。さらに、電子ビームをAl203膜上に照射することで、Al203膜上におけるシリコンの選択成長技術を確立した。これらにより、二重SOI構造を用いた加速度センサ製作のための基礎技術を確立した。
つづいて、有限要素法を用いた構造解析プログラム(ANSYS)、CADソフト等を用いて加速度センサの設計を行った。また、本経費で購入した陽極接合装置やシリコンエッチング装置等と現有の半導体製造装置を用いて、シリコン直接接合法によるSOI構造を用いたピエゾ抵抗型と容量型の加速度センサを設計、試作した。SOI構造ならびにRIEプロセスを併用することで高い精度および再現性を達成した。そして、300度以上の高温でのセンサ特性を測定するため、高温度用センサに必要なパッケージング法、センサ特性測定装置の開発、整備を行い、最大33Gの加速度を印加しつつ400度まで温度を上げることのできる加速度測定システムを製作した。これらの結果を踏まえ、加速度センサの出力特性ならびに高温での特性を測定した。その結果、常温から400度までの温度範囲で加速度センサとしての動作が確認できた。解析の結果、構造解析プログラムによる設計値と測定結果は非常に似た結果が得られ設計法の妥当性が確認できた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
桜井 止水城 | 豊田工機 | メカトロニクス事業部 | 事業部 |
松本 佳宜 (松本 佳宣) | 豊橋技術科学大学 | 工学部 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】試験研究(B)
【研究期間】1994 - 1995
【配分額】10,100千円 (直接経費: 10,100千円)