水を高効率で分解するオキシナイトライド型薄膜光触媒の精密合成
【研究分野】触媒・資源化学プロセス
【研究キーワード】
オキシナイトライド / 光触媒 / 薄膜 / 光電池 / 可視光 / 水素製造 / 光電変換 / デバイス
【研究成果の概要】
光触媒を用いる太陽光による水からの水素製造はエネルギー問題を本質的に解決する可能性をもつ。本課題は、水を可視光照射下、外部バイアス無しで高効率に分解するd^0型およびd^10型(オキシ)ナイトライド型光触媒薄膜の開発を目標とするものである。d^10型光触媒薄膜としてはZnO:GaNの粉末をペースト状にし導電性ガラス基板に塗布した光電極の開発に取り組んだ。特に表面を助触媒等で修飾する効果について詳細に調べ、IrO_2を担持することにより光電流が飛躍的に増大することを見出した。さらに光電極表面から発生する気体をガスクロマトグラフで分析すると、試料極からは酸素、対極から水素が発生していることが確認され、その生成量は光電流とほぼ対応していた。一方、サルファイド材料は古くから光機能性があることが知られているが、一般に水中での安定性が乏しく光溶解のために光触媒として使用ができないものが大半を占める。そのため酸素を有する構造であるオキシサルファイドについて光触媒として触媒探索を行なった。特に。La_5Ti_2AgS_5O_7に高い水素発生能があることを見出した。この材料の薄膜化を粉末触媒の塗布による方法と、RFマグネトロンスパッタによる方法の2通りの方法で取り組んだ。La_5Ti_2AgS_5O_7を薄膜化し光電気化学測定を行ったところp型半導体として機能している光触媒であることが確認された。これらの薄膜電極は太陽光によって水から水素・酸素を発生させるものとして実用化できる可能性が高く、今後さらなる性能向上のための開発が望まれる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
高田 剛 | 東京大学 | 大学院工学系研究科 | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2005 - 2007
【配分額】49,400千円 (直接経費: 38,000千円、間接経費: 11,400千円)