ミクロンサイズバブルの多機能化と制御に関する研究
【研究分野】流体工学
【研究キーワード】
マイクロバブル / 超音波 / 医療応用 / ドラッグデリバリーシステム / ベシクル / バブルクラスター / マイクロチャネル / マイクロフルイディクス / 混相流
【研究成果の概要】
本研究では,マイクロバブルの医療応用技術の一つとしてドラッグデリバリーシステム(DDS)に利用可能なマイクロバブル内包ベシクルの生成技術の開発と,超音波によるベシクル位置の制御に関する研究を実施した.マイクロバブル内包ベシクルの生成法として,油水界面通過法による方法を検討し,従来の手法より安定にマイクロバブル内包ベシクルを生成することに成功した.また,生成されたマイクロバブル内包ベシクルを定在音場の中で捕捉することに成功した.さらにサイズの揃ったマイクロバブル内包ベシクルを安定に生成させる方法としてフローフォーカス型のマイクロ流路を用いてベシクルを生成するための基盤技術の開発を行った.
【研究の社会的意義】
本研究で対象としている薬物搬送担体は,通常用いられる数十ナノメートルの小さな粒子ではなく,その100倍程度大きいミクロンスケールのマイクロバブル内包ベシクルである,内包されたマイクロバブルを体外から照射させた超音波で制御し,ベシクルの膜を破壊することにより,薬物放出を局所で可能にすれば,従来のものに比べ,一度に大量の薬剤を局所的に送りこむことが可能となる.そのための基礎技術として,マイクロバブル内包ベシクルを安定に作り出す技術の開発は重要な学術的及び社会的意義を持つ.
【研究代表者】