スクリーン印刷法を用いた高感度半導体圧力センサの開発
【研究分野】電子デバイス・機器工学
【研究キーワード】
圧力センサ / 半導体 / CdS / ダイアフラム / スクリーン印刷 / ガラス薄膜
【研究成果の概要】
平成5年度には、Si基板上にガラス材料をスクリーン印刷し、その後にSi基板をエッチングして圧力検出用のダイアフラムを形成する方法について検討した。ガラス材料は、軟化点が750℃以上であること、熱膨張率がSiに近いこと、耐薬品性が強いことなどの条件で選択し、数種類の候補の内から、焼結後の表面平坦性に優れた旭硝子製AFS1880を選んだ。スクリーン印刷したガラス膜上に、SiO_2膜をスヒンコートして平坦性を向上させた結果、ガラス膜厚30〜40μmに対する表面の凹凸は0.2μm以下であった。また、80℃のKOH溶液でSi基板をエッチングした結果、1.2mm角のダイアフラムが良好に形成できた。さらに、この上に多結晶Si膜を形成して、ガラス材料の半導体膜形成に対する耐性を検討した結果、プロセス温度を600℃ 以下に保てば、十分な耐性のある事が明らかとなった。
平成6年度には、圧電半導体であるCdSのスクリーン印刷法について検討した。印刷原料には、CdS粉末にCdCl_2とプロピレングリコールを加えたペーストを用いた。これをSiO_2膜上に印刷し、仮焼き、焼結した結果、平均膜厚15〜20μmの多結晶膜が470℃以上の温度で得られることが明らかになった。この膜の電気的特性を評価したところ、520〜620℃で作製した試料については導電性が確認され、この温度範囲では、抵抗率は温度と共に減少し、キャリヤ濃度、移動度は温度と共に増加する結果を得た。また、SIMS測定により高温の試料ほど膜中のClが減少していることが確認された。これより、キャリヤ濃度は、不純物の絶対量よりもその温度における活性化率に依存すると考えられる。2年間の研究を総合すると、ガラスダイアフラム上にCdS薄膜をスクリーン印刷して、半導体的性質を示す膜を形成できるとの結論が得られた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
岩田 吉徳 | 株)オーバル | 研究2課 | 研究員 |
會澤 康治 (曾澤 康治) | 東京工業大学 | 精密工学研究所 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】試験研究(B)
【研究期間】1993 - 1994
【配分額】6,500千円 (直接経費: 6,500千円)