近赤外光応答光触媒電極開発とタンデム型反応系の構築
【研究分野】エネルギー関連化学
【研究キーワード】
水素 / 人工光合成 / 半導体 / 触媒 / 表面修飾 / カルコゲナイド / 酸化物 / 酸窒化物 / フォトルミネッセンス / 光触媒・光電極 / GaN / 表面・界面準位 / 多層構造 / 太陽エネルギー / 近赤外光 / 光電極 / 光電極・光触媒 / イオン交換樹脂 / 近赤外 / 太陽光 / 光触媒 / 光電気化学 / エネルギー変換 / 再生可能エネルギー / エネルギー全般 / 触媒・化学プロセス
【研究成果の概要】
Cu(In,Ga)Se2、(ZnSe)0.85(Cu(In,Ga)Se2)0.15、CdTeをはじめとした紫外~可視~近赤外光を有効に利用し得る近赤外光応答型光触媒電極を開発した。これらを用いて可視域に吸収端を有する酸素生成光触媒電極とタンデム型反応系を構築し、太陽エネルギー変換効率2%以上で水分解反応を進行、水素を生成することに成功した。また、反応系の高耐久化に有効な過酸化物還元による安定化被膜形成法、およびイオン交換樹脂を用いた表面修飾を新規に見出した。さらに、高効率化・学理確立に必須な、反応進行中の光励起キャリアの振る舞いをフォトルミネッセンスから観察することに成功した。
【研究の社会的意義】
光触媒やそれらからなる電極を用いた水分解反応は、簡便かつ安価に水から水素が得られる画期的手法として期待されています。一方、特に効率の観点で実用に不十分であることが最も大きな課題です。本研究では、上述の手法を用いて太陽光を有効に利用可能であることを実験的に示し、これまで知られていなかった課題を抽出すると同時にその解決策を提示することができました。さらに、光触媒材料が光を吸収した際に内部に生じる電子と正孔というプラスとマイナスの電荷がどういった経路をたどって水分解反応にたどり着くのか、また、その損失の原因は何なのかというところまでの現象の理解につながる新しい計測手法を開発、一部観察に成功しました。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
杉山 正和 | 東京大学 | 先端科学技術研究センター | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】41,470千円 (直接経費: 31,900千円、間接経費: 9,570千円)