超高真空・高分解能電子顕微鏡法による表面・ヘテロ膜成長過程の研究
【研究分野】結晶学
【研究キーワード】
高分解能・超高真空電子顕微鏡 / 結晶成長 / 表面再配列構造 / シリコン表面 / 金属微粒子の構造 / シリコンー金属吸着構造 / シリコン-金属吸着構造 / 超高真空・高分解能電子顕微鏡法 / 表面構造 / ヘテロエピタクシャル成長 / 真空蒸着 / その場観察 / 金 / シリコン
【研究成果の概要】
高分解能・超高真空電子顕微鏡を用いて、表面・吸着膜成長過程の"その場"観察を、透過顕微鏡法と反射顕微鏡法によって、原子レベルで行った。
A.シリコン(111)表面での金属原子の吸着過程、B.金表面の再配列構造とその上での金の層成長過程、C.グラファイト下地での金微粒子の核成長過程を明らかにした。
Aでは、a)Pd原子が/3x/3構造をつくり、この構造が三個のPd原子のトライマーが回転した配置を持つことを見出した。また、b)CuやAuが吸着してできる"5x5"非整合構造や5x2構造について、吸着がSi(111)7x7表面のステップで優先的に起こること、吸着に依って余剰となったSi原子が拡散してステップの下側へも吸着層が広がっていくことが見出された。吸着層の成長の定量的解析から、吸着層のSi原子はダングリング結合を3本もつmissing top layer構造であることを明かとした。
Bでは、金の(001)と(110)表面に形成される、それぞれ、5x1および2x1再配列構造を高分解能プロファイル顕微鏡法で観察し、原子変位の詳細を明かとした。これらの表面に金が層成長する過程を高分解能プロファイル顕微鏡法で観察し、(110)面では2原子層の(111)表面では1原子層の成長が起こることを示した。
Cでは、グラファイト下地上に蒸着された金原子が核成長する過程で、個々の金原子が表面を拡散してクラスターを形成し、次第に大きくなって多重双晶粒子へと成長していく過程を高分解能顕微鏡観察できた。
また、固相微粒子の液体様の振舞い、ならびに、液化現象についても調べた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
谷城 康真 | 東京工業大学 | 理学部 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】一般研究(B)
【研究期間】1987 - 1988
【配分額】6,700千円 (直接経費: 6,700千円)