超臨界ナノプレーティング法によるナノ空間での金属成長機序の研究
【研究キーワード】
電気化学反応 / 電気めっき / 超臨界流体 / 二酸化炭素 / 電析 / 超臨界二酸化炭素 / 回転電極 / 貴金属 / 高分子繊維 / 電気化学的特性 / めっき / ナノ空間 / 有機材料 / 無機材料
【研究成果の概要】
研究代表者らは、超臨界二酸化炭素(Sc-CO2)と電解質溶液を混合して乳濁状態としてめっきを行う方法である超臨界ナノプレーティング(SNP)法を開発した。2021年度において、この超臨界ナノプレーティング(SNP)法による電気化学反応を解析するため、新規高圧回転電極セルを設計・製造に成功した。
この高圧回転電極セルを用いて、Sc-CO2を混合した硫酸銅電解めっき液における銅電析の電気化学的特性を、硫酸銅電解めっき液にSc-CO2を混合した場合と混合しない場合の分極特性から調べた。限界電流密度と回転電極の回転速度との関係、いわゆるLevichプロットから、Sc-CO2を混合することで限界電流が大幅に増加すること、およびSc-CO2を混合する前と比較して、拡散係数は2倍以上増加し、動粘性係数は1/2以下に減少することを明らかにした。このことから、Sc-CO2混合めっき液を用いることで、対流による銅イオンの移動が大きく促進され、従来のめっき法では困難であった対流の小さい狭小空間の電析に対しても、Sc-CO2を用いた銅電着では銅イオンの供給が改善されるため、高アスペクト比のTSVのビア・フィリングに有効であることを見出した。
同時に高分子繊維表面においてナノ領域に触媒を輸送して、貴金属を被覆する技術の開発に成功した。特に重要な知見は、金属被覆が難しいとしられているポリエチレンテレフタレート繊維への貴金属被覆であり、新しい触媒反応系を見出し、密着性の高い金属被覆に成功した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
細田 秀樹 | 東京工業大学 | 科学技術創成研究院 | 教授 | (Kakenデータベース) |
チャン ツォーフーマーク | 東京工業大学 | 科学技術創成研究院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
黒子 弘道 | 奈良女子大学 | 工学系 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2025-03-31
【配分額】17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)