マルチスケール計算によるSiC酸化機構に現れる複合相関とその界面電子物性への影響
【研究キーワード】
SiC / DFT / 欠陥 / 単一光子光源 / SiC/SiO2 / 界面 / 移動度 / α-Ga2O3 / 点欠陥 / Pbcセンタ / ダングリングボンド / 酸化 / 第一原理計算 / 密度汎関数理論
【研究成果の概要】
本課題では第一原理理論計算に基づいて、SiC-MOS界面欠陥の構造特定と界面欠陥低減法の理論的提案を行なった。SiC/SiO2界面に現れる欠陥の特定は、SiC-MOSデバイス特性の改善において重要な課題である。本研究課題では、SiC-MOS界面欠陥として2つの欠陥候補を特定に成功した。1つは、SiCの伝導帯下端の波動関数に由来するSiC固有の欠陥であり、もう1つは界面に析出した炭素関連欠陥である。特に、界面に析出した炭素関連欠陥を提言する方法として、熱酸化を使わない酸化膜形成法を提案した。また、それを実験によって検証した結果、界面欠陥密度を10分の1にまで低減できていることがわかった。
【研究の社会的意義】
SiC/SiO2界面に現れる欠陥の特定とその低減は、SiC-MOSデバイス特性の改善において重要な研究課題である。本課題では、理論計算に基づき、界面欠陥の特定とその低減法を提案した。特に、その低減法は実験によって有効性が示され、界面欠陥密度の大幅な低減に成功した。ここで開発された技術は、省エネ社会実現に大きく貢献するものと考えられる。この研究課題は、パワー半導体デバイスにおける日本のプレゼンス拡大に大きく貢献するものと考える。
【研究代表者】