超薄高誘電率ゲート絶縁膜におけるシリコンとの界面制御の研究
【研究分野】電子・電気材料工学
【研究キーワード】
高誘電率絶縁膜 / 酸化ハフニウム / 酸化イットリウム / 酸化ランタン / シリコン / ゲルマニウム / 分極率 / アモルファス / HfO_2 / La_2O_3 / Y_2O_3 / High-k膜 / Y-doped HfO_2 / 遠赤外特性 / LaYO_3薄膜 / Y_2O_3 on Ge / 界面層 / HfO2 / Y2O3 / シリケート / 光学フォノン / 高誘電率膜 / 基板面方位 / 界面制御 / 酸化レート / 原子状酸素 / 斜入射X線反射率測定 / 分光エリプソメトリー / Open Circuit Potential法 / スパックリング / オープンサーキットポテンシャル / オフアクシススパッタリング / ゲート絶縁膜 / MISキャパシタ
【研究成果の概要】
本研究の目的は、超膜高誘電率膜が次世代LSI用CMOSゲート酸化膜に適用可能であるかを材料学的に判断することであった。以下にその成果をまとめる。
1.High-k材料の高誘電率性の起源の理解と材料設計指針の確立
(1)遠赤外吸収測定により、高誘電率膜それぞれに特徴的なフォノンモードを実験的に提示した。
(2)HfO_2にYやSiをドープして高温相へと相変態させ、30に近い比誘電率を実験的に初めて示した。
(3)HfO_2にLaをドープすると、誘電率だけでなく結晶化温度が上昇し、900℃以上においてもアモルファスを維持する高誘電率膜が得られることを見出した。
(4)マクロ量である誘電率は、ミクロに定義される分子分極率と分子体積により決定されるという基本法則に基づき、得られた誘電率の違いを解析し、高誘電率化のための新しい材料設計指針を構築した。
2.シリコン/High-k界面層の成長機構の理解と制御
(1)HfO_2/Si界面酸化における基板面方位、時間、温度等の影響を系統的に調べ、Si表面とは反応機構が異なることを定量的に明らかにした。
(2)HfO_2/Si界面の酸化種として原子状酸素を考慮することによって、定量的界面酸化モデルを構築し、界面酸化制御のための指針を示した。
以上を基に、最終年度にゲートスタック形成を試みた結果、界面特性の最適化を要するものの、EOTで0.8nm以下、リーク電流でSiO_2に比べて約5桁低いMISキャパシターの結果が得られ、数値目標を含めてほぼ本研究の目的を達成できた。
さらに、次々世代デバイス材料として期待されるGeを用いたGe/High-k界面の制御へと対象を発展させた。Siの場合とは異なり、High-k材料物性が界面特性に強く影響し、High-k材料制御が一層重要になることを明らかにした。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
弓野 健太郎 | 東京大学 | 大学院・工学系研究科 | 講師 | (Kakenデータベース) |
喜多 浩之 | 東京大学 | 大学院・工学系研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2001 - 2005
【配分額】119,210千円 (直接経費: 91,700千円、間接経費: 27,510千円)