金属酸化物ゲルの外部場温水処理による機能性ナノ微結晶分散薄膜の創製
【研究分野】無機材料・物性
【研究キーワード】
ゾル-ゲル法 / 外部場 / 温水処理 / ナノ微結晶 / 薄膜 / チタニア / 酸化亜鉛 / 組織制御
【研究成果の概要】
(1)金属酸化物ゲルの組成探索と機構
・SiO_2-TiO_2系ゲル膜の振動温水処理によって生成するナノシート結晶が層状構造を有するレピドクロサイト型チタン酸であることを明らかにした。得られた薄膜が高い光触媒活性と超親水性・防曇性を示すことを実証した。膜組成依存性では、TiO_2含量が少なくなると、析出するアナターゼの形態が粒状から鋭錘状に変化し、さらにチタン酸シートに変化することがわかった。TiO_2溶解種濃度が低い条件で、シート状結晶が析出しやすくなると推察した。
(2)外部場温水処理による金属酸化物微結晶析出と表面組織制御
【電場中での温水処理による微結晶析出と表面組織制御】
・SiO_2-TiO_2系ゲル膜の直流電場温水処理では、負極側で生成する析出物が粒状からシート状へ変化することがわかった。直流印加電場が5Vcm^<-1>以上では、Ti^<4+>のTi^<3+>への還元により薄膜の光透過率が低下するが、交流電場温水処理ではこれを防げることを見出した。
・ZnOゲル膜を形成した導電性基板と対向電極の間に直流あるいは交流電圧を印加しながら温水処理を行った。その結果、直流電場温水処理によって負極側で析出する結晶が六角柱状に変化し、シリコン基板を用いた場合には、析出結晶が花弁状に変化することがわかった。
(3)超分子集合体を添加したゲル膜の温水処理による微結晶析出と表面組織制御
CTAB、P123、F127などの界面活性剤を添加したSiO_2-TiO_2系ゲル膜の温水処理によってアナターゼナノ微結晶が膜中に高分散析出し、紫外線照射によって界面活性剤鋳型を完全除去できることを明らかにした。
【研究代表者】