系外惑星探査のための長期安定Yバンド固体天文コムの開発
【研究キーワード】
フェムト秒光周波数コム / 天文コム / 近赤外 / 系外惑星探査 / 光周波数コム / レーザー分光
【研究成果の概要】
繰り返し周波数約1.6 GHzの自作Ti:Sapphireモード同期レーザーを光周波数コムとして安定化する際、これまではオフセット周波数を基準RF周波数に安定化し、原子遷移に安定化した単一縦モード半導体レーザーとコムの1本の縦モードを比較して繰り返し周波数を安定化していた。システム全体の複雑さの軽減と単一縦モード半導体レーザーのモードホップ等を回避し、より長期的に安定動作させるため、繰り返し周波数を直接、GPS参照したRF周波数基準に安定化する方式への変更を進めた。また、長期的安定動作の試験として、環境温度や、レーザー結晶の冷却温度の設定の関数として光周波数コムのスペクトルや繰り返し周波数、オフセット周波数の記録を行い、数ヶ月以上の安定動作を阻害する原因の特定を進めた。
また、本研究においてはファブリー・ペロー共振器を用いて上記の超高繰り返し光周波数コムの繰り返し周波数を逓倍し、天文コムとして動作させる設計で遂行している。このファブリー・ペロー共振器による光周波数フィルターにおいてYバンドの波長領域全体を網羅するには、当該波長域で非常に低分散かつ適切な反射率設定の特注ミラーが必要であった。本年度はこの実現可能性を光学メーカーとの議論を通じて探り、理想の分散及び反射率に可能な限り目標値を近づけた設計のミラーを製作した。また、光周波数フィルター特性の劣化につながる空気の分散の影響を除去するために、小型の角型真空容器を製作した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)