蛍光分光XAFSによる金・白金ナノ粒子および助触媒サイトの状態識別観測の研究
【研究分野】分析化学
【研究キーワード】
触媒・化学プロセス / 放射線・X線・粒子線 / ナノ材料 / 構造・機能材料 / 解析・評価 / ナノ粒子 / 金 / 錫(すず) / 酸化触媒 / 選択水素化
【研究成果の概要】
本研究は、研究代表者が継続して行なっている状態識別XAFS(X線吸収微細構造)を用いた触媒および環境材料の研究の延長として行なった。白金-すず触媒について、すずK端の自然幅ブロード化を抑止したSn Kα_1選択状態識別XAFSを測定し、SiO_2表面に1nm程度に高分散したPt粒子に吸着したSnサイトの存在を示し、その電子状態を提示した。また均一な粒径分布をもつAu/TiO_2触媒を体系的に合成し、平均粒子サイズを2.9〜8.7nmに制御した。Au Lα_1選択状態識別XAFSにより、金ナノ粒子中にニュートラル、δ^-、δ^+サイトの存在がそれぞれ示された。
特に研究が進展した点として、SPring-8のビームラインのビーム安定度が向上し、試料位置でのビームサイズが小さくなったのと同じ効果を示したため、状態識別XAFSでのエネルギー分解能が向上した。その結果、金ナノ粒子中各サイトの状態識別構造解析が容易になった。また、本研究と平行して行なった可視光励起バナジウム触媒の研究(特定領域研究)と共通して、その場条件での状態識別XAFS測定技術を確立した。その結果、その場反応条件で金(δ^+)サイトがO_2分子に電子供与する様子を観測することに成功した。低温CO酸化反応の活性化機構中で鍵となる中間種を直接捉えたものと考えている。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
馬場 俊秀 | 東京工業大学 | 大学院総合理工学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2005 - 2006
【配分額】1,700千円 (直接経費: 1,700千円)