構造と機能の相関性に関する反応工学的研究
【研究分野】反応工学
【研究キーワード】
分子設計 / 蒸留 / 熱プラズマプロセシング / 界面活性物質 / 微生物生合成 / 反応工学 / 触媒作用 / 高分子ヒドロゲル
【研究成果の概要】
物理科学のなかで化学がもつ大きな特徴は分子の認識とその機能に焦点を合わせていることである。エンジニアリングは本来、機能を実現する構造を創る活動であり、従ってケミカル・エンジニアリングは分子の構造と機能の相関性を十分に理解し利用する方向に積極的に重点を移すことが重要である。このような考えのもとに、分子や分子集合体の構造、あるいはこれらと他の物理構造体との複合的構造によって、物質およびエネルギーの変換機能あるいは物質選択・移動制御機能がどの程度決定ずけられるかという相関性を工学的に明らかにし、この相関性を化学装置、操作を考える上での手掛りとすべく、二年間にわたって、それぞれ分担者各個の調査・研究結果を、毎月1回原則として行なった研究会において発表、意見交換した。
調査研究結果を、次の四つのグループに分け、内容を整理し、産業人出席のもとで二回検討会を開き意見交換し、研究成果のとり纒めを行なった。
1.分子および分子部分の構造とその機能
分子機能予測のための計算機支援、高温化学反応特性の予測、分子識別機能と触媒作用、微生物による分解および生合成における構造と機能
2.分子の会合体および集合体の構造特性を利用する要素技術
有機酸の抽出機構、高分子ヒドロゲルの構造と機能およびその利用
3.微視的構造に由来する作用
微視的構造が材料物性に及ぼす効果、細孔内流動と液固界面の相互作用、液膜の構造と分離機能
4.微視的構造に由来する巨視的構造とその機能との関連
界面活性剤の存在と流動、物質移動現象の相関性、流体の弾性的性質と抗力減少効果および流動機構の相関性、多成分蒸留の分離挙動
【研究代表者】