医薬品連続生産プロセスの革新的管理戦略構築
【研究キーワード】
連続生産 / 医薬品 / 制御 / 異常検出 / デジタルツイン / モデル / デザインスペース / デインスペース / 機械学習
【研究成果の概要】
医薬品連続生産を対象として,医薬品の品質と生産性を最大限に引き上げられる革新的な管理戦略を構築すること,およびその管理戦略を実装するために必要な方法論と技術を開発すること,が本研究の目的である.
2021年度には,まず,連続生産プロセスのモデルとシミュレーション,および国内外における技術動向について情報収集を実施した.原料供給速度の変動が安定した医薬品連続生産を妨げる要因のひとつであることから,粉体の連続供給に利用されるツインスクリューフィーダ(TSF)に注目し,供給される粉体の特性(粒子径分布,安息角など)とTSFの運転条件を様々に変更した実験を行い,そのデータからTSFのモデルを構築した.また,連続生産を要素として含む固形剤製造プロセスのシミュレーションモデルの構築を進めると共に,様々な装置構成を網羅的に表現できるスーパーストラクチャを用いたモデルについて,その精度向上や計算アルゴリズムの改良に取り組んだ.さらに,複数工程からなる連続生産設備の実験データを用いて,製品品質を予測するための統計モデルを構築し,工程ごとのモデルを構築して繋ぎ合わせるよりも,全体を一気通貫にモデル化する方が高精度な予測ができることを明らかにし,そのモデルを用いて,柔軟な品質保証を実現するために運転可能領域を最大限に活用できるデザインスペースを構築するアルゴリズムを開発した.その上で,デザインスペースが逸脱するリスクを最小化するために,滞留時間分布モデルを用いて,上流工程での実績値に基づいて下流工程での設定値を変化させることのできるアルゴリズムを開発した.これらの要素技術開発は,医薬品連続生産の革新的な管理戦略の基盤となるものである.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
金 尚弘 | 東京農工大学 | 工学(系)研究科(研究院) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
杉山 弘和 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)