高度好塩性古細菌キチナーゼの耐塩機構の解明と有機溶媒中での新規オリゴ糖創製
【研究分野】生物機能・バイオプロセス
【研究キーワード】
古細菌 / 高度好塩性古細菌 / キチナーゼ / Halobacterium sp. NRC-1 / Haloarcula japonica / 反応至適pH / 反応至適温度 / 反応至適塩濃度 / Halobacterium sp.NRC-1 / PCR / 遺伝子クローニング / 遺伝子発見
【研究成果の概要】
既にゲノム解析により、高度好塩性古細菌Halobacterium sp. NRC-1株にはキチナーゼホモログをコードする遺伝子が存在することが報告されているが、タンパク質としての実態は明らかにされていない。本研究ではNRC-1株キチナーゼの酵素学的性質、耐塩機構の解明および工学応用を目指した研究を行った。以下1および2に実績の概要を示す。
1.Haloarcula japonicaにおけるキチナーゼ遺伝子の発現と組換え型キチナーゼの精製
高度好塩性古細菌用キチナーゼ遺伝子発現型プラスミドを構築し、発現型プラスミドを導入したH.japonica形質転換体より、培養上清を回収した。次に限外ろ過濃縮した後、ヒドロキシアパタイト・カラムクロマトグラフィーを行い、組換え型キチナーゼの精製を実施した。その結果、分子質量約70kDaの位置に単一バンドを示す精製標品が得られた。
2.組換え型キチナーゼの性質検討
組換え型キチナーゼ精製標品用いて、37℃における反応pH依存性およびpH6.0における反応温度依存性を調べた。その結果、本酵素はpH4.5付近に反応の至適を有し、至適温度は55℃であることがわかった。またpH6.0、37℃において、キチナーゼ活性のNaCl濃度依存性を調べたところ、組換え型キチナーゼは1M付近に反応の至適を有することが明らかとなった。.また、NaClが0M付近の活性は最大活性40%程度であり、活性発現に塩を必要とすることがわかった。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2004 - 2005
【配分額】3,600千円 (直接経費: 3,600千円)