カーボン系燃料電池触媒の機能解明と材料設計
【研究キーワード】
燃料電池 / カーボン触媒 / 酸素還元 / 窒素ドープカーボン触媒 / 酸素還元反応 / ピリジン型窒素
【研究成果の概要】
窒素ドープカーボン触媒は白金を使用しない燃料電池カソード触媒として最も期待されている。我々は、2016年にピリジン型窒素が活性点を形成することを世界に先駆けて報告した(Science誌、2016年)。本研究では、ピリジン型窒素の役割を明らかにし、高活性な触媒を開発することを目的としている。2020年度の研究では、ピリジン型窒素含有芳香族系分子をカーボンブラックに担持したモデル触媒を用いてピリジン型窒素の役割の概要が明らかになり、高性能触媒の設計の指針が得られた。すなわち、プロトンがピリジン型窒素に付加して生じるピリジニウムイオンの電気化学的還元と酸素分子のカーボン触媒への熱反応的な吸着がエネルギー的に連動することを明らかになった。この酸素吸着が低活性触媒の場合に反応律速となる。そのためその反応の酸化還元電位がピリジニウムの水和によって著しく低下する。活性劣化を防ぐためににカーボン触媒を疎水性化した結果、高活性触媒な触媒が得られた。以上の研究成果は世界をリードするものと言える。
【研究代表者】