フェーズドップラー法によるサーモフォレシス効果の解析
【研究分野】化学工学一般
【研究キーワード】
サーモフォレシス / 熱泳動 / 微粒子 / 温度勾配 / 粒径測定 / レーザードップラー法 / I-MAX法
【研究成果の概要】
本研究では、サーモフォレシス(熱泳動)効果の定量的データの蓄積および的確な理論の確立を目的として、データ測定手法の構築および測定データの解析をおこなってきた。本研究の研究成果を以下にまとめる。
(1)熱泳動速度測定場の形成
サーモフォレシス効果の特性を表す指標である熱泳動速度の測定手法を確率した。準定常で直線的な温度分布を有し、気体流動が熱泳動速度に比べて無視できる程度に抑制されている、熱泳動速度測定に理想的である測定場を形成し、熱泳動速度の精密な測定を可能とした。これは、充分な大きさ(90×90mm)の2枚の平板を水平平行に狭い間隔(1mm)で設置し周囲を密閉し、上部の板を高温とすることで達成した。温度勾配が大きい場合には容器内の気体の対流発生が問題となるが、この対流の速度が、壁面間隔の3乗および壁面の寸法の逆数に比例することを流体力学的計算からつきとめ、この結果をもとに壁面間隔を1mmとすることで百K/mm程度の大きな温度勾配下での熱泳動速度の正確な測定を可能とした。これにより、通常重力下での測定可能範囲(既往の研究では数K/mm以下)を大きく広げることができた。
(2)サーモフォレシス効果の定量的データの収集
(1)で確立した手法により熱泳動速度測定を測定し、サーモフォレシス効果の定量的データの収集をおこなった。粒径1〜30μmのSiO2および5〜30μmのPMMAの粒子について90K/mmまでの温度勾配中で測定し、再現性の良いデータを得た。測定値は、過去に提案されている理論式、実験式に比べて大きな値を示し、温度勾配の小さな場での少数の測定値のみを基に作られたこれまでの理論式、実験式の問題点を明らかにした。温度勾配および粒径に対する依存関係も過去の式とは異なっていることが明らかになった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
石塚 悟 | 広島大学 | 工学部・機械系 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
土橋 律 | 東京大学 | 大学院・工学系研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】1995 - 1997
【配分額】23,500千円 (直接経費: 23,500千円)