Keap1-Nrf2の相互作用を阻害する擬天然物特殊ペプチドのプロドラッグ化
【研究分野】ケミカルバイオロジー
【研究キーワード】
ペプチド / ケミカルバイオロジー / キモカイン / トランスポーター / 遺伝記号 / 特殊ペプチド / tRNAアルシ化 / 翻訳 / アミノ酸 / リボソーム
【研究成果の概要】
CXCR7を標的とした特殊環状ペプチドの探索
CXCR7はGPCRファミリー膜タンパク質の一つであり、炎症誘導因子キモカインの一つであるCXCL12を受容タンパク質として知られている。また、この受容体はHIVに代表されるウィルス感染において重要な標的タンパク質としても知られている。Geielmann博士は、磁気ビーズに固定化したCXCR7に対し、特殊環状ペプチドライブラリーを用いたRaPIDセレクションを行い、結果として12種類の特殊ペプチドを発見した。これら個々の特殊環状ペプチドクローンをRaPIDディスプレイで評価したところ、いずれもバックグラウンド(ビーズ単独)の数千倍の結合能力を示し、定性的ではあるがCXCR7に対して結合できる特殊環状ペプチドが発見できた証拠を得た。そこでこれらを全て化学合成し、共同研究先に送付、現在さらなる結合評価と生理活性評価、ならびに共結晶化を進めている。
(2) hTOM40を標的とした特殊環状ペプチドの探索
Geielmann博士は、磁気ビーズに固定化したhTOM40に対し、特殊環状ペプチドライブラリーを用いたRaPIDセレクションを行い、結果として多種類の特殊ペプチドを発見した。これらのうち、8種類の特殊環状ペプチドを選び、個々の特殊環状ペプチドクローンをRaPIDディスプレイで評価したところ、いずれもバックグラウンド(ビーズ単独)に対し優位な結合能力を示し、定性的ではあるがhTOM40に対して結合できる特殊環状ペプチドが発見できた証拠を得た。そこでこれらの特殊環状ペプチドを化学合成し、それぞれの解離定数をSPR-Biacoreを用いて解析した。その結果、130 nM~1000 nMのレンジで結合することがわかった。残念ながら、それほど高い親和性をもっているとは言い難い特殊環状ペプチドではあるが、これはら全て共同研究先に送付、フリブルグ大Schneider研で生理活性評価、ならびにバーゼル大Hiller研で共結晶化を進めている。
【研究代表者】
【研究種目】特別研究員奨励費
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【配分額】2,300千円 (直接経費: 2,300千円)