金属基複合材料の微視的変形、破壊挙動の解析
【研究分野】複合材料・物性
【研究キーワード】
金属基複合材料 / 透過電子顕微鏡 / 走査型電子顕微鏡 / 破壊 / 変形 / 界面 / 機械的性質 / 構造材料 / マグネシウム合金 / コンポキャスト法 / 金属複合材料 / アルミニウム合金 / セラミックス / 複合材料
【研究成果の概要】
本研究では、スクイズキャスト法、半溶融および溶融攪拌法、ホットプレス法を用いて複合材料を作製した。強化材料として主に、SiC,Al_<18>B_4O_<33>,TiO_2の粒子、ウイスカ、繊維を用い、マトリックスとしてアルミニウム合金、マグネシウム合金およびチタン合金を用いた。これらの複合材料の機械的性質を明らかにし、その発現原因と走査型電子顕微鏡および透過電子顕微鏡による微細組織、変形・破壊組織の観察により明らかにした。また、ホットプレスで作製したニオブとMoSi_2の積層複合材料についても検討を行った。複合材料の機械的性質を決定する要因は、強化材の劣化、セラミックス/マトリックス界面の構造変化、マトリックスの組織の変化に依存する。特に、本研究では、界面に注目し、界面構造および変形、破壊組織を原子的レベルまで分析し、その界面反応が変形、破壊に与える影響を明らかにした。また、界面制御手法を考案することにより、機械的性質の優れた複合材料の設計指針を示した。更に、繊維系複合材料ではクリープ破断寿命を、繊維の耐荷能の時間変化を考慮した確率モデルにより、破断寿命を予測した。
具体的成果として、TiO_2表面への熱化学的ドーピングによる複合材料の強化熱処理温度の低下、Al_<18>B_4O_<33>ウイスカ表面への均一なスピネル層の形成によるマトリックス合金との直接反応の阻止による高温安定性の向上を図ることができた。また、MoSi_2中に添加物を入れることによりNbとMoSi_2の界面反応を制御し、破壊靭性の優れた積層複合材料を製造することができた。
【研究代表者】