高効率エネルギー変換用金属材料の高温酸化皮膜の非平衡組織と機能の制御
【研究分野】材料加工・処理
【研究キーワード】
エネルギー効率化 / 格子欠陥 / 構造・機能材料 / 材料加工処理 / 省エネルギー / 固体酸化物高温燃料電池 / 火力発電 / 高温酸化皮膜 / 化学ポテンシャル分析 / イオン流束の発散 / ボイド形成 / Cr2O3皮膜 / Fe3O4皮膜 / 有効拡散係数 / 過熱器管 / 鉄-クロム合金 / 水蒸気酸化 / マグネタイト / 化学ポテンシャル分布 / 流速と発散
【研究成果の概要】
(1)酸化皮膜中のボイド形成の定量的予測
高温酸化過程の皮膜中の化学ポテンシャル分布,イオンの流れ,その発散を求める速度式を確立し,発散がボイド形成の定量的目安となることを示した。
鉄の高温酸化をモデルとして,提案した手法の実験的検証を行った。
(2)高温燃斜電池(SOFC)のインターコネクタ用フェライト系Fe-Cr合金の高温酸化と導電性
Fe-16Cr合金の高温酸化をSOFCの作動条件を模擬して行った。すなわち,1073Kで,試料の一方の面を空気,他方をH_2O/H_2=3/97の混合ガスに曝した。
両面ともにCr_2O_3の連続皮膜が形成し,その,成長速度はほぼ等しい。これは,皮膜中の欠陥構造は格子間Crイオンが支配的な領域にあることを示している。
(1)で提案した手法を用いて,皮膜中の酸素ポテンシャル分布を評価すると,皮膜の大部分で酸素ポテンシャルは低く保たれており,導電性が高い皮膜が得られる理由が明らかとなった。
また,外部電流を印加しながら酸化実験を行うと,カソード側の皮膜成長は抑制され,アノード側では促進されることを見出した。両極における酸化速度を予測する式を導出し,この結果を定量的に解析しするとともに,長時間の酸化挙動を予測する手法を提案した。
(3)酸化皮膜の組織形成過程の制御法と機能性の設計法
本研究をまとめると以下のようになる。
(1)拡散係数の酸素分圧依存性を知ることができれば,組織形成を予測できる。
(2)組織の制御たはイオンの拡散係数の制御が不可欠である。これは原子化制御を達成できれば可能である。
(3)皮膜中の化学ポテンシャル分布の評価は,皮膜の組織および機能の設計には極めて有力である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
河村 憲一 | 東京工業大学 | 大学院理工学研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
上田 光敏 | 東京工業大学 | 大学院理工学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2004 - 2006
【配分額】14,100千円 (直接経費: 14,100千円)