超臨界プラズマクラスタ流体を用いた革新的な材料表面加工テクノロジーの創製
【研究分野】材料加工・処理
【研究キーワード】
超臨界流体 / 超臨界流体プラズマ / 超臨界プラズクラスタ流体 / 材料加工 / 成膜プロセス / カーボンナノマテリアル / クリーニング / Cu薄膜 / 材料表面加工プロセス / 堆積
【研究成果の概要】
本研究プロジェクトにより以下のような成果を挙げることができた。
(1)誘電体バリア放電(DBD)プラズマ法による超臨界二酸化炭素プラズマ、超臨界アルゴンプラズマ、超臨界キセノンプラズマ、超臨界水プラズマなどの生成、および、発光分光、レーザーラマン分光、プローブ測定によるプラズマ診断を多角的に行った。その結果、特に、(1)超臨界中の放電現象において、一般的な現象としての放電低下現象の機構の提案をするとともに、(2)本プラズマ強結合プラズマと考えられること、そして、(3)臨界点付近でのラマン分光スペクトルにおける揺らぎの計測に成功し、本プラズマが、超臨界流体状態、すなわち、今回の研究で提案した、超臨界プラズマクラスタ流体の生成が実現していることを実証した。また、プラズマで生成される電子付着によるラマン強度の増強現象も見出すことに成功した。
(2)上記の超臨界流体プラズマを用いた成膜プロセス(カーボンナノマテリアル、Cu薄膜)開発を行い、雰囲気ガス種、雰囲気温度、基板温度、基盤種類、圧力、添加物(触媒)との生成状況の関係を明らかにした。その結果、とりわけ、臨界点近傍でのカーポンナノマテリアルの生成の容易さを見出した。これは本プロセスのプリカーサーとしてのクラスターの役割が期待される。
以上の結果は、今回の研究プロジェクトで提案した、超臨界プラズマクラスタ流体プロセスの実現を行うとともに、従来の気体プラズマプロセスが対応する気体プロセスの高速化、低温化を実現したように、環境融和型のプロセスとして期待されている超臨界流体プロセスのさらなる高速化、低温化、非平衡化などへの新しい扉を開いたものである。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
越崎 直人 | 産業技術総合研究所 | 界面ナノアーキテクトロニクス研究センター | チームリーダー(研究職) | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2005 - 2006
【配分額】15,300千円 (直接経費: 15,300千円)