合金組織形成ダイナミクスの原子論的理解に向けた分子動力学解析の時間スケール加速
【研究キーワード】
金属物性 / 時間加速分子動力学 / メタダイナミクス / 非平衡界面物性 / 自由エネルギー曲面探索 / スローダイナミクス / 分子動力学 / 時間加速化 / 固相拡散 / ハイパーダイナミクス
【研究成果の概要】
分子動力学シミュレーションの加速化手法の一つであるCollected Variable driven Hyperdynamics(CVHD)法をを拡張し,本研究において新たな仮想原子加速手法を開発した.これにより侵入型固溶体(Fe-C)のみならず置換型固溶体(Fe-Cr)の溶質拡散の時間加速を実現した.さらにメタダイナミクスによる自由エネルギー曲面探索法を応用し,液相の定義をすることなく非平衡界面(融点以外)の固液界面エネルギー算出手法を新たに開発した.この手法を用いて純鉄固液界面エネルギーの温度依存性を検討し,過冷温度の増加につれ界面エネルギーも増加することを明らかにした.
【研究の社会的意義】
本研究において新たに開発した,数値シミュレーションに基づく非平衡温度下における界面物性温度依存性導出手法は,実験的に計測が困難な高温物性値の理解を可能にし,材料組織予測技術の高精度化に貢献できる.また数値シミュレーションに基づく材料組織学の新たな学理発展が期待される.
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)