衝撃圧によって駆動される高速液体噴流の流動特性に関する研究
【研究分野】流体工学
【研究キーワード】
高速液体噴流 / 噴流衝撃力 / ノズル / ピストン衝撃圧 / 非定常流 / 水中衝撃波 / 相変化 / 圧縮性液体の数値解析 / パルスジェット / 圧縮性流体の数値解析 / 気液二相流 / 衝撃波 / 噴流の衝撃力 / 非定常流の数値解析 / キャビテーション
【研究成果の概要】
ピストン衝撃圧により駆動される200〜500m/s級の高速液体噴流について、ノズル内流れの数値解析と大気中の噴流挙動に関する実権を行ない、ノズル形状の影響を調べた。ノズルは、出口径5〜10mmの同筒型、テ-パ型の物を用いた。数値解析では、差分法を用い、気中噴流については、Xeフラッシュ光とパルス・ルビ-レ-ザ-ホログラフィ-による高速瞬間撮影、He-Neレ-ザ-による噴流先端速度の測定、水晶圧電素子による噴流衝突圧力の測定を行った。以上より次のような成果が得られた。(1)ボイドの発生・消滅を伴う気液二相流の過渡現象に対し、二段階ラックス・ヴェンドロフ法に人工拡散を付加し、拡散係数をFCT法によって調節すれば、安定で鮮度的にも満足な数値解がえられる。(2)ノズル内流れは静止状態から短い立ち上がり時間の後、準定常流となり、ピストンの減速に応じてノズル出口速度が徐々に低下する。このとき円筒ノズルでは強い縮流が発生し、その周囲は高ボイド率の剥離領域になり、ノズル出口部では速度低下によって低ボイド率のボイド領域が発生する。テ-バ-ノズルでは円筒ノズルに比べ準定常になるまでの時間が長い、水柱内にもボイド領域が発生し、水領域との境界に不連続が発生する。(3)ノズル内流れが定常になるという仮定のもとに、噴流速度の最大値を予測する簡単な近似式を得た。近似式はテ-パノズルよりも円筒ノズルの場合によく成り立つ。(4)噴流先端速度は、円筒ノズルでは低い速度から増加し、テ-パノズルでは高い速度から減少する。これはテ-パノズルでは初期加速がインパルス的なのに対し、円筒ノズルでは、単調に増速するためである。(5)噴流の形成初期にはノズル出口の速度変動に基づき噴流同士の激しい衝突が生じ噴流中には笠状の乱れが生じる。(6)噴流の衝突圧力は噴流速度や距離ばかりでなく、ノズル形状の違いによる噴流の構造にも大きく依存する。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
吉岡 英輔 (大田 英輔) | 早稲田大学 | 理工学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
田島 清ひろ (田島 清〓) | 早稲田大学 | 理工学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】一般研究(B)
【研究期間】1987 - 1989
【配分額】6,700千円 (直接経費: 6,700千円)