融着現象を利用したプラスチック廃棄物の選別・判別手法の具体化
【研究分野】熱工学
【研究キーワード】
プラスチック廃棄物 / プラスチック種 / 選別・判別 / 融着現象 / シュレッダーダスト / 融着力・引き剥がし力 / ガラス転移点 / 軟化点 / 廃棄物再資源化 / 材料選別・判別 / 材料判別 / 加熱粒子 / 融着可能初期温度 / 熱容量 / 連続分別 / 分別能 / ローラー間隔 / 複数回投入
【研究成果の概要】
融着現象を利用したプラスチック廃棄物の選別・判別手法を具体化するために、粉砕されたプラスチック廃棄物の連続選別と、粉砕される前のプラスチック廃棄物部品の材料種判別手法を提案し、それぞれの効果を実験的に検討するとともに、これらの原理となっている融着現象の発現温度と融着力の関係を評価し、熱融着によるプラスチック廃棄物の選別・判別手法の具体化に有力な指針を得た。具体的には以下の通りである。
(1)粉砕プラスチック廃棄物の連続選別手法として、ヒータを内蔵した金属円筒を加熱固体面とし、これと可撓状円筒との間にプラスチック粒子を通すローラ型分離装置の効果を実験的に検討した。その結果、プラスチック粒子径の違いに合わせて加熱ローラ・押し付けローラ間隔を適切に設定すれば、実際に3段ローラ装置によって4種類のプラスチック材料が分離可能であることを示すとともに、プラスチック粒子を同一ローラ間に複数回通すことで分別能を向上させられることを示した。
(2)プラスチック製品を粉砕する前に分離された部品の材料を判別する方法として、加熱固体粒子をプラスチック部品表面に押し付け、その融着挙動から材料判別する装置を試作し、その判別能を実験的に検討した。その結果、この手法によってプラスチック材料種の判別が可能であることを示すとともに、加熱固体粒子の熱容量とプラスチック材料への熱移動の関係から、融着を生じさせるに必要な加熱固体粒子の初期温度と押し付け時間の条件を定式化し、その条件を踏まえて実際に4種類のプラスチック材料を完全に判別できることを示した。
(3)プラスチック材料と加熱固体面間の融着力は、両者の界面温度がプラスチック材料のガラス転移点・軟化点を超えると急速に高まるが、引き剥がし力はそれより高い温度では逆に低下し、結果としてプラスチック材料のガラス転移点・軟化点近傍で最も高くなることを明らかとした。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
齊藤 卓志 (斉藤 卓志) | 東京工業大学 | 大学院・理工学研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2003 - 2005
【配分額】15,200千円 (直接経費: 15,200千円)