知能化・情報化に対応した多機能マシニングプロセッサの研究
【研究分野】機械工作・生産工学
【研究キーワード】
工作機械 / 知能化 / 情報化 / 多軸制御 / マシニングプロセッサ / 自立型加工セル / 遠隔操作 / 加工シミュレーション / 自律型加工セル / 加工シミュレータ
【研究成果の概要】
これからの工作機械のあるべき姿として、知能化・情報化に対応した多機能マシニングプロセッサのプロトタイプを構築し、自律した加工セルのための基礎技術を確立しようとするのが本研究の目的である。昨年度のモジュール機能の検討結果を基に、以下のような成果を得た。
(1)オープンCNCを利用し、ネットワークを介して送信される3次元CADデータだけを入力情報として、多機能マシニングプロセッサが自律的な同時5軸制御加工を行うことができる加工エージェントシステムを開発した。システムはデータベース等の情報に基づき、加工条件や加工法などを自律的に判断して加工を行う。ネットワークを介した遠隔操作が可能であり、ネットワーク上に分散した生産情報を共有できる。
(2)具体化のため、加工の監視を実現するネットワークアプリケーションを開発した。これにより,加工中の機械の遠隔からの監視やアラーム情報電子メールの送信、クライアントからのデータ送信が可能となった。
(3)送信されるCADデータをもとに、自動的に荒加工・仕上げ加工用のCLデータおよびNCデータを出力し、自律的な加工を行うCAMモジュールを開発するとともに、同時5軸制御加工の機能拡張を行った。開発した加工エージェントシステムによる加工実験では、良好な成果が得られ、システムの有効性を確認した。
(4)3軸制御を対象に開発した仮想倣い加工システム機能を拡張し、5軸制御による加工を実現した。
(5)開発した仮想加工シミュレータを活用して、推定される切削負荷と加工中にモニタリングされる切削負荷とを実時間で比較しながら切削状態を判定できる知的加工モニタを試作した。
(6)マシニングプロセッサのマイクロ加工への展開を図るため、ねじり振動によるガラスの微細加工システムを開発し、その加工機構を検討した。その結果、3μm以上の切込み深さで延性モード加工が可能となり、延性モードのガラス加工における工具設計・工具経路生成に関する指針を得た。そのためには多軸による工具経路と工具姿勢制御が必要となる。
【研究代表者】