生体の不確定性を取り扱う非線形確率有限要素法の開発
【研究分野】機械材料・材料力学
【研究キーワード】
流体構造連成解析 / 流体構造連成 / 医用画像 / 確率有限要素法 / 血管 / 狭窄 / 造影剤 / 有限要素法 / 不確定性 / 機械学習
【研究成果の概要】
流体構造連成解析を狭窄柔軟管の拍動流について実現した。狭窄管実験の文献値との比較および、分岐狭窄柔軟ファントム拍動流実験とそれを模擬した解析との比較より,一致を確認し解析の妥当性を確認した.狭窄率80%と95%とで血液の粘性を用いて解析を行い,漸増する造影剤に見立てたパーティクルトレース解析を行った.80%狭窄では軸対称な流れにより再現性のある密度分布となる一方で95%狭窄では噴流の方向が変化することで密度分布が拍毎にばらつきが生じることを示した.また、流体構造連成解析について、流体の粘性を確率変数とする確率有限要素法を実装し、その妥当性の確認を行った。
【研究の社会的意義】
構造のシミュレーションは複雑な形状がシミュレーションできればよいという確定的シミュレーションの時代を経て,材料・加工・保守などの不確定要素に由来する確率的応答を考慮に入れた信頼性工学が発展し,実際の設計に不可欠なツールとして発展してきている.生体のシミュレーションに関しても,確定的なシミュレーションを行う技術は確立してきており、生体シミュレーションにも「品質」が求められるようになってきている.本研究による生体シミュレーションの不確かさを定量化する手法の確立は,診断支援など医学的応用を考える上で必要不可欠であり生体シミュレーションが実際に社会に役立つために不可欠な基礎技術である.
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【配分額】4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)