燃料電池反応法にるH2O2中性水溶液の直接合成
【研究分野】環境関連化学
【研究キーワード】
過酸化水素 / 酸素 / 水素 / 燃料電池 / 中性電解質 / ガス拡散電極 / 電極触媒 / 炭酸ナトリウム / ガス拡散電
【研究成果の概要】
水素/酸素燃料電池反応を利用した過酸化水素の一段合成法による中性過酸化水素の合成を実現することを目標にしている。本反応法はカソード,アノード,2枚のガス拡散電極を隔膜としても機能させ,この電極間に電解質溶液を満たす特異的な構造を有している。電解質液側と反対の電極面は,酸素ガス(カソード),水素ガス(アノード)に露出しており,高分圧の酸素ガス,水素ガスが高濃度のまま直接反応サイトに供給できることが特徴である。
平成16年度において電解質に1-2規定の炭酸ナトリウム水溶液,VGCF(気相成長カーボンファイバー)ガス拡散電極(カソード),白金/炭素ガス拡散電極(アノード)を用い,それぞれ1気圧の酸素,水素ガスを導入することにより,電極間を短絡するだけで0.05wt%過酸化水素が確かに合成できることを実証した。
平成17年度は、平成16年度に得られた成果を元に、炭酸ナトリウム電解質を用いた時に高活性を示すカソードの開発を行いった。中性電解質を用いて効率よく過酸化水素が生成するためには、酸素が還元されるVGCFカソード中の三相界面反応場の局部的な酸性あるいは塩基性が影響を及ぼすのではないかと考え、VGCFを酸性または塩基性の酸化物を添加した電極を作製した。具体的には、塩基性酸化物:MgO, BaO, ZrO_2,Sm_2O_3、酸性酸化物:Al_2O_3,SiO_2,TiO_2,Cab-O-Silを検討した。これらの酸化物の中では、酸性酸化物が過酸化水素生活性を促進する作用があることが分かった。なかでもCab-O-Silが有効であり、過酸化水素濃度はCab-O-SilのVGCFへの添加により、0.05wt%から0.16wt%に増加することを見出した。
【研究代表者】
【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2004 - 2005
【配分額】3,400千円 (直接経費: 3,400千円)