シリコンナノエレクトロニクスの新展開-ポストスケーリングテクノロジー
【研究分野】薄膜・表面界面物性
【研究キーワード】
シリコン / 超々大規模集積回路 / スケーリング則 / MOSFET / ゲルマニウム / ナノ構造化メモリ / 三次元構造デバイス / シグナルインテグリティ
【研究成果の概要】
Si超々大規模集積回路に対する従来の「スケーリング則」による対処療法的方策は、材料固有の物性限界に阻まれ、将来展望を見失っている。我々はSiテクノロジーを基盤としながら、従来材料の物性限界を打破するための一連の技術を『シリコンテクノロジーにおけるポストスケーリング技術』と位置づけ、以下の4項目について調査・研究を行った。(各テーマ分担者を括弧内に示す。)
(1)ナノスケールデバイスプロセス・マテリアル:低電圧化・超高速化を同時に達成する超高移動度Geチャネル技術とGe/High-kゲートスタック技術。(高木、財満、櫻庭、渡部、寺本)
(2)ナノ構造化メモリデバイス:ナノスケール領域に適合した新規不揮発性メモリ構造とそれを実現するプロセス技術。(宮崎、福島、田部、浦岡、徳光)
(3)三次元自己整合化構造デバイス:従来の微細加工限界を打破するための三次元自己構造化技術、およびそれを用いたデバイス開発と異種材料界面を用いた新規機能性付加技術。(堀、宮尾、白樫、田畑、竹田)
(4)少数電子系の揺らぎとナノスケール計測:ナノスケール領域において発現する物理現象や、少数電子系の電子輸送と揺らぎ・雑音・シグナルインテグリティに関する理論的および実験的解明、ナノスケールの物性理解のための評価技術。(益、佐野、土屋、白石、木村)
上記の研究調査を踏まえて、5回の研究打ち合わせ(8月、10月(2回)、11月、3月)および2回の研究会(9月、12月)を開催し、基礎的検討課題および技術的課題を抽出した。また、国際会議発表を通して海外への情報発信と世界の動向調査も推進した。これらの活動を通して、Siテクノロジーの発展にはポストスケーリング技術が必須であると結論づけられ、その展開すべき方向と課題が整理・明確化された。本研究の成果を集約して、平成18年度発足特定領域研究への申請を行った。
【研究代表者】