タンパク質の立体構造の計算機による解析法の開発とそれを用いた立体構造の解析
【研究分野】生体物性学
【研究キーワード】
タンパク質 / 分子シミュレ-ション / 分子力学 / 立体構造エネルギ- / 水和エネルギ- / NMR距離解析 / 極小化法
【研究成果の概要】
1.タンパク質の立体構造解析プログラムFEDER/2の開発
(1)タンパク質のみを対象としたプログラムFEDERを、ツリ-構造をもつ分子一般に拡張するため、アルゴリズムとデ-タ構造の改良を行った。
(2)真空中だけでなく、水溶液中のシミュレ-ションも行うことができるようにするため、水和殻モデルによる水和エネルギ-の計算機能を追加した。
(3)値の大きな極小植からの回避は極小化法の重要な機能の一つであるが、可変目的関数法、シミュレ-ティド・アニ-リング法、モンテカルロ法、linearized embedding法などの手法を適用できるよう改良した。
(4)複数鎖からなる系を取り扱うことができるように、現在プログラムを改良中である。
2.タンパク質の立体構造の解析
(1)基準振動解析によって、動的視点から、タンパク質のドメイン構造を研究した。
(2)真空中と水和エネルギ-を考慮した系でシミュレ-ションを行い、その比較研究を行った。
(3)オキシトシンの溶液中のNMR距離解析デ-タをもとに立体構造決定の問題を取り扱い、その構造の多形性について研究を行った。
(4)立体構造既知のタンパク質から統計的解析によって得られた経験的な距離情報が、アミノ酸配列だけから高次構造を推定しようとするときどれだけの情報量をもつか研究した。
(5)極小化法を改良するために、BPTIのX線結晶構造をもとにNMR距離解析の擬似デ-タを作成し、初期値の問題、立体構造エネルギ-の問題などを研究した。
【研究代表者】
【研究種目】一般研究(C)
【研究期間】1989 - 1991
【配分額】2,400千円 (直接経費: 2,400千円)