共鳴電子ラマン遷移を用いたゲルマニウムの光利得とバンド間遷移レーザーへの応用
【研究分野】結晶工学
【研究キーワード】
ゲルマニウム / 共鳴電子ラマン遷移 / 光利得 / 量子閉じ込め / バレー選択励起 / バレー間散乱 / 円偏光フェムト秒励起相関法 / Germanane / 共鳴電子ラマン散乱 / 誘導ラマン過程 / バンド間遷移 / バンド間遷移レーザー / 共鳴誘導ラマン過程 / 共鳴電子ラマン利得 / 非自明な誘導放出光発生機構 / スプリットオフ正孔 / 前方散乱ポンプ・プローブ測定 / フェムト秒円偏光蛍光相関測定 / 半導体物性 / 光物性 / 結晶工学 / 電子・電気材料 / 量子エレクトロニクス
【研究成果の概要】
CMOS集積回路の光インターコネクトや自動運転用センサなど広範囲の応用展開に向けてモノリシックⅣ族光機能集積素子が渇望されている。通信波長帯域に適合したⅣ族半導体光エミッタの実現は残された歴史的難題である。本研究では、ゲルマニウム(Ge)の電子ラマン遷移過程を利用した誘導放出光発生の新規方法論に関する物性研究を推進した。 (1)歪制御と励起条件最適化による共鳴電子ラマン発現条件の精査、(2)超高速分光による電子ラマン散乱ダイナミクス追跡、(3)低次元構造によるバンド構造制御、(4)歪Ge共振器構造設計と光利得機能実証の研究を通じて未踏の領域であるGeの電子ラマン介在光利得の実証を試みた。
【研究の社会的意義】
歪Geには疑似直接遷移化による顕著な光学特性・デバイス機能の向上が期待されている。しかし、現状、最も有力とされる本手法も必然的にバンドギャップ縮小を招き、その結果、意図しない中赤外領域へのエネルギーシフトが発生する。いきおいこれを克服することが喫緊の課題である。これに対して本研究は、未踏の新奇電子励起法を軸に高度光機能の発現に向けて非従来型の高機能構造の設計と戦略的な物性の制御を行うことでSWIR域におけるGeの光利得発現の実証を試みるものである。一方で単なる応用展開の模索にとどまることなく、Geの新しい光学特性や機能性は、新奇な半導体光物性の学理探求の契機となることが期待される。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
安武 裕輔 | 東京大学 | 大学院総合文化研究科 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)