次世代超高速デバイス実現に向けた新規ディラック原子層材料の開発
【研究キーワード】
原子層 / ディラック電子 / ホウ素 / ダイナミクス / ボロフェン / ボロファン / グラフェン / 準結晶 / ディラック電子系 / 時間分解光電子分光 / トポロジー / ディラック / 表面 / 単原子シート / キャリアダイナミクス
【研究成果の概要】
超高速デバイス実現に向けて、ホウ素の単原子シート「ボロフェン」とグラフェンの誘導体を中心に新たなディラック電子系原子層材料の開発を行なった。準結晶2層グラフェンについて光誘起で過渡的に起電力が発生することを観測し、層間の「ねじれ角」がキャリアダイナミクスに影響することが分かった。ボロフェンの水素化物「ボロファン(HB)」の多形体を研究し、トポロジカルの数理を元に5,7員環から構成されるものに大きなキャリア濃度が実現するディラックノーダル線半金属を発見し、GHz-THz帯応答材料として役立てることが分かった。6員環ボロファンは水素輸送や化学センサーとして高い材料特性を示すことを発見した。
【研究の社会的意義】
本研究では、次世代材料だけでなく物質としても珍しいディラック電子系原子層について、準結晶2層グラフェンやボロファンなどの新規物質群を開拓し、それらの電子状態とキャリアダイナミクスを明らかにした。新しい物質の理解は物質科学の発展に大きく貢献し、学術的意義は高い。また、本研究では超高速デバイス、水素輸送、化学センサーなど新物質の機能性を見出した。これらは将来的に材料として我々の社会で利用されることが期待される。そして、本研究を通じて、我々は原子層と最先端の分析技術に関する2冊の英文教科書を出版し、科学知識のグローバルな普及に尽くした。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
近藤 剛弘 | 筑波大学 | 数理物質系 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
冨中 悟史 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 | 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 | 主任研究員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【配分額】40,040千円 (直接経費: 30,800千円、間接経費: 9,240千円)